映画「キャストアウェイ」最後の荷物と天使の羽根の意味をネタバレ考察

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トム・ハンクス主演の映画「キャストアウェイ」に描かれている「最後の荷物」は、一体どんな意味があるんだろう?

荷物に書かれていた「天使の羽根」も気になる…。

※この記事はネタバレ要素を含んでいます。

2000年に公開された映画「キャストアウェイ」。

飛行機が太平洋沖に不時着し、無人島に流された主人公チャックがたった一人サバイバルをするという物語。主役のトム・ハンクスの体当たりな演技が話題になりました。

 

映画をご覧になった方には、作品の中で随所に出てくる「あるもの」に注目されたかも知れませんね。それはチャックがラストで届ける「最後の荷物」です。

今回はこの「最後の荷物」が意味するものについて、考察をしていきたいと思います。

目次

キャストアウェイのあらすじを確認

1995年12月。チャック・ノーランド(トム・ハンクス)はフェデックス倉庫の生産性解決に世界中を飛び回るシステムエンジニアである。彼はテネシー州メンフィス在住のケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)と長年付き合っている。親族と過ごすクリスマスの最中、チャックはマレーシアでのトラブル解決のため呼び出される。悪天候のため、彼の乗った貨物機は太平洋に墜落する。彼は沈みゆく機体からただ一人脱出し、緊急用救命ボートに乗り込み意識を失う。一夜明け気付くと、ある島の海岸に漂着している。島を探検すると、無人島であることが判明する。

キャストアウェイの謎「最後の荷物」

※ここから先は作品のネタバレを含みます

映画「キャストアウェイ」の最大の謎は、天使の羽根が書かれた荷物ですね。

 

飛行機が太平洋沖に不時着し、無人島に流れ着いた主人公チャックは、浜辺に打ち上げられた「お客さんの荷物」を必死にかき集めます。

「自分が大変なときにお客さんの荷物を大事にするとは、なんて仕事に対するプライドが高いんだ!」と感心した矢先に、ほとんどすべての荷物を開封しちゃいます笑。

チャックはただ単に「生き伸びるために必要な道具はないか?」を探していただけなんですね。

でもなぜか、「最後の荷物」だけは開封しませんでした。

 

それから4年が経ち、無人島から無事に帰還したチャックは、最後まで開けることのなかった荷物を、荷主に届けます。

「この荷物のおかげで、命が救われました」という置き手紙とともに。

 

ここで2つの疑問が浮かびます。

  • なぜチャックは1つだけ荷物を開封しなかったのか?
  • チャックが届けた「最後の荷物」にどういう意味があるのか?

「最後の荷物」の意味を紐解くには、荷物に書かれた「天使の羽根」の意味を理解する必要があります。

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キャストアウェイを紐解く:最後の荷物に書かれた天使の羽根

天使の羽根の登場シーン

チャックが最後まで開けることがなかった荷物の表面に書かれた、天使の羽根。

お気づきの方もいるかも知れませんが、実は作品の冒頭で「天使の羽根の主」が登場しています。

 

広大な平野の中を走る1台のFedEx社のトラック。

お客さんの荷物を受け取りに行く、日本で言う「クロネコヤマト」のような存在でしょう。

トラックはある一軒の家に入ります。その名も「ディック&ベッティーナ」。

ディック(男性)とベッティーナ(女性)という二人の夫婦が営む、工房です。二人の名前の間には「天使の羽根」が書かれています。

FedExの従業員が荷物を取りに来ますが、そこのは奥さんのベッティーナ一人だけ。恐らく、遠く離れた旦那ディックに送る荷物を取りに来てもらったのでしょう。

その荷物の表には、「ディック&ベッティーナ」を象徴する「天使の羽根」が描かれています。

受け取られた荷物は、遠く離れた旦那ディックの元へ届けられますが、何と彼は愛人と同居中。浮気をしていたのです。

無人島における天使の羽根の意味

単なる「お店のシンボル」に過ぎなかった「天使の羽根」ですが、主人公にとってそれは「大きな意味」を持ちます。

それは「無人島からの脱出」を意味するシンボルです。

 

飛行機が不時着し、無人島に流れ着いたチャックは、浜辺に散乱した「お客さんの荷物」を一心不乱に回収します。そしてそれらのほぼすべてを開封し、サバイバルに必要な道具として活用します。

天使の羽根が描かれた荷物1つだけを残して。

 

それから4年。いまだ無人島でサバイバルを続けるチャックのもとに、ある漂流物が辿り着きます。

それはカリフォルニア州ベイカーズフィールドから流れ着いた、1枚の折れ曲がったトタン板です。

このトタン板を「帆」として使えると確信したチャックは、筏(いかだ)を組み、ついに無人島からの脱出に成功します。

 

チャックはまず初め、浜辺から回収した荷物のひとつに書かれた天使の羽根を「脱出のシンボル」と捉えました。

「羽根があれば、無人島から脱出できるかもしれない。」

チャックはそんな希望にも似た感情を、その荷物に抱いたのかも知れません。だから、最後まで開封することはしませんでした。開封は羽根を失うことを意味します。

 

そして、4年後に漂流した2つに折れ曲がったトタン板。チャックにはこの板が「天使の羽根」に見えたに違いありません。脱出のための羽根を、ついにチャックが手に入れた瞬間です。

チャックは筏に帆を組み込む際、トタン板の裏面に「天使の羽根」を描きました。チャックがトタン板(筏の帆)を羽根に見立てていた、何よりの証拠です。

最後のシーンにおける天使の羽根の意味

作品のラストでは、最後まで開封することのなかった「天使の羽根」が描かれた荷物を、主の元へチャックが届けます。

 

荷主は、「ディック&ベッティーナ」。

しかし、二人は離婚してしまったようで、看板からディックの名前は消え、女性(ベッティーナ)の文字しか残されていません。

あいにくベッティーナは不在だったので「この荷物のおかげで命を救われました」という置手紙とともに荷物を置いて帰ることにします。

帰り道、チャックが道に迷って道路で地図を広げていると、一人の女性が「道に迷ったの?」とチャックに声を掛けます。ベッティーナです。

道を教えてもらったチャックは、そのまま立ち去るベッティーナを微笑みながら見送ります。

 

ラストシーンでチャックにとって「天使の羽根」が意味するのは「新たな人生への旅立ち」です。

4年にも渡る漂流生活で恋人を失い、「これからどのように人生を歩んでいこうか?」と悩んでいる矢先に現れた、新たな天使。それこそがベッティーナという女性です。

チャックが広大な敷地で道に迷い、地図を広げているシーンこそまさに彼が人生の岐路を迷っていることへのメタファーであり、そこに「天使の羽根」が舞い降ります。ベッティーナが彼に声を掛けた瞬間ですね。

最後にチャックがベッティーナのもとへ行ったのかまでは描かれていませんが、僕の予想としてはベッティーナと新たな人生を歩みだしたんじゃないかな?と思ってます。

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