
ところでiDeCoって、主婦(夫)でも加入できるの?
パート勤めで夫の扶養内で働いているんだけど、メリットはあるのかしら?
iDeCoってお得な制度だって聞くけど、イマイチよくわからないなぁ・・・。
しんまま(@shin_mama19)です。
公的年金に対する将来の不安から、「自分の老後資金は自分で何とかする」という風潮が高まっています。その中でも、税制上のメリットを大きく受けながら老後の資金作りができるということで「iDeCo(個人型確定拠出年金)」に対する注目度がかなり上がってきています。
2017年からは加入できる人の幅が広がり、さらにiDeCoの加入者は増えていくことが予想されます。
この記事では、主婦(夫)の方のそんな疑問にお答えします。
▼この記事でわかること▼
- iDeCoって何?
- 主婦もiDeCoに加入できるの?
- 主婦にはメリットがないって聞くけど、本当?(←そんなことはありません)
- 主婦がiDeCoに加入する際に気をつけないといけないこと
iDeCoって、何?
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の愛称です。
iDeCoを簡単に説明すると、「国民年金」や「厚生年金」に加えて、毎月自分でお金を積み立てて老後の生活資金を作る、いわば「自分年金」です。国民年金や厚生年金とは違い、iDeCoは加入するかしないかは自由に選択できます。
iDeCoは運用リスクも伴う
まず最初に、iDeCoは「何に掛けるか」によって掛け金よりも増えることもあれば、反対に減ってしまうリスクもあるということを知っておく必要があります。
iDeCoの運用方法は主に3種類あります。
定期預金タイプと保険タイプはいわゆる「元本保証型(※中途解約による元本割れのリスクあり)」で期待リターンは少なめ。
投資信託タイプは大きな運用益を見込める(=お金が増える)代わりに、元本割れする(=お金が減る)リスクも同時に抱えている商品です。
- 定期預金タイプ
- 保険タイプ
- 投資信託タイプ
期待リターンが大きければそれだけリスクも大きくなるというのは、大原則です。下のように、右側ほど期待リターンとリスクが大きくなります。
iDeCoに加入できる人
iDeCoは20歳以上60歳未満の方であれば、原則として誰でも加入することができます(一部例外もあり)。
2017年までは加入者に縛りがありましたが、2017年からは大幅に加入制限が緩和されました。今回お話する専業主婦の方や旦那さんの扶養内で働いている主婦の方(いわゆる「第3号被保険者」の方)でも、iDeCoに加入することができます。もちろん、男性の主夫の方も同様です。
掛け金は月々いくら?
iDeCoは毎月決まった金額を積み立てます(だから「確定拠出」と呼びます)。
金額は月額5,000円からで、1,000円単位で自分の好きな金額を決めることができます(上限あり。後述。)一度決めた掛け金は1年間有効で、年に1回変更することが可能です。
掛け金は指定の銀行口座から毎月自動的に引き落とされます。
主婦の掛け金の上限は?
専業主婦や旦那さんの扶養範囲内でパート勤めなどをされている方(第3号被保険者)の掛け金の上限は、毎月23,000円まで。年間だと276,000円までとなっています。
例えば専業主婦の方が毎月上限いっぱいの23,000円を60歳まで30年間積み立てたとすると、元金のトータルは828万円となります。ちなみに、この掛け金を投資信託タイプで年平均3%で運用できたと仮定すると、約1,340万円(元本828万円+運用益約512万円)になります。
60歳まで掛け金は原則引き出せない
特殊な事例を除いて、掛け金は60歳になるまで引き出すことはできません。ですので、iDeCoはある程度の生活リスク(入院、失業など)に備えられるだけの貯蓄がある上で積み立てるのが理想です。(いざというときに、貯金がないと困る。)
60歳になったら、一時金もしくは年金方式(好きな方を選べる)で受け取ることができます。
国民年金未加入だとiDeCoは加入できない
iDeCoで自分年金の積み立てを行なうには、前提として国民年金をちゃんと払っていることが必要となります。
iDeCoのメリット
税制上の優遇がすごい
iDeCoは税制上とても優遇されている年金制度なので、僕個人的には加入を強くおすすめしたい制度です。
iDeCoは①お金を払うとき、②お金を運用している最中、③(60歳になって)お金を受け取る時の3つの段階すべてで税制上の優遇を受けることができます。
①お金を払うとき~掛け金の全額控除~
iDeCoで払う毎月の掛け金は、すべて「課税所得」から控除されるので、所得税や翌年の住民税が安くなります。
課税所得というのは、所得から経費や各種控除(医療控除)などを引いたあとに残る所得のこと。この課税所得を元に支払う税金が決まります。
iDeCoの掛け金はすべて課税所得から控除されるので、支払う税金が安くなります。
②お金を運用している最中~運用益は非課税~
通常、投資信託などで運用しているときに出た利益(運用益)には約20%の税金が課せられます。
しかし、iDeCoで出た運用益には一切税金がかかりません。
③お金を受け取るときもにも税の優遇あり
60歳になるとiDeCoで運用してきたお金を受け取ることができますが、受け取り総額に応じて税金が掛かります。
自分がせっかく積立ててきたお金に税金が掛かるのは何となく納得いきませんが、これは法律上仕方がありません。公的年金や会社の退職金にも、同じく所得税は掛かります。
しかし、iDeCoで運用してきた受け取り金には税負担を軽くする制度があり、ある一定の金額までは非課税になります。
積み立て期間や、一度にまとめて受け取る(一時金)か年金形式で受け取るかによっても控除される額が複雑に変わるので、詳しく知りたい方は下の本が詳しく解説していますので読んでみて下さい。
投資信託の手数料が安い
iDeCoで投資信託の金融商品を買う場合には手数料が掛かりますが、通常買う投資信託に比べて手数料が安く設定されていてお得です。
手数料は運用益に大きな影響を及ぼすので、手数料などのコストが低いというのはプラス材料です。
主婦はiDeCoに加入してもメリットがない?
ここまで基本的なiDeCoの仕組みやメリットを説明してきました。ところが、一部で「主婦にはiDeCoに加入するメリットがない」という噂もあります。本当でしょうか?
「主婦にはメリットがない」と言われる理由として、iDeCoのメリットの一番目に挙げた「掛け金の全額控除」が受けられないことが挙げられます。
掛け金の控除が受けられるのは、「課税所得」からだと説明しました。主婦にはそもそも「課税所得」がありません。なのでiDeCoの大きなメリットである「掛け金の全額控除」を受けることができない、というわけです。
なお、主婦の人が掛けた掛け金を、配偶者の所得から控除することもできません。
それでも主婦がiDeCoに加入するメリットは多い!
iDeCoの大きなメリットである「掛け金の全額控除」を受けられないのは、確かに大きな柱を失ったようでメリットがないように思えます。
しかしながら、それでも主婦の方がiDeCoで運用していくことには、数多くのメリットが残されています。
- 運用中の利益に一切の税金が掛からない
- 年金受け取り時にも、税負担軽減の制度あり
- 通常の投資信託よりも安い手数料で運用できる
- 自分自身の「退職金」ができる
ちなみに、毎月主婦の人が上限いっぱいの23,000円を30年間掛け続け、年3%平均で運用できたとすると、通常通り課税されると1,209万円受け取れますが、非課税だと1,340万円です。約130万円の差が生まれます。この金額差を聞くと、運用益が非課税になる「うまみ」がより感じられるのではないでしょうか?
主婦がiDeCoを始めるときの注意点
運用リスクを忘れずに
iDeCoには大きく分けて3種類の金融商品がありますが、特に大きなリターンが期待できる「投信タイプ」については、反面元本割れするリスクもあるということは十分理解しておく必要があります。
さらにiDeCoは60歳になるまで引き出せません。自分が積み立てたお金が運用途中で大きく下落する様子を見ても、それに耐えうる心構えも必要になります。
元本保証タイプを選ぶと手数料でマイナスに
では投信タイプのようなリスクが取れないとした場合、元本保証型の定期預金タイプを選べばいいのでしょうか?確かに元本は保証されますから、安心のような気がします。
しかし定期預金タイプだと金利が低すぎて、手数料や運用管理費用で実質の元本割れが発生してしまいます。
iDeCoで運用するには確かに税制上の優遇はありますが、運用管理費用など様々なコストが毎年掛かります。定期預金タイプのような元本保証型だと、金利が低すぎてこれらのコストを吸収しきれません。
この辺のデメリットも踏まえて、商品選びをしてもらいたいと思います。
iDeCoのことをもうちょっとよく勉強したいという方には、「iDeCo初心者はこの本を読んどけば大丈夫【厳選3選】」という僕の記事を読んでみて下さい。
とてもわかりやすい本ばかりを厳選したので、きっと理解が深まると思います。

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