映画「メガマインド」が面白い理由を3つ挙げてみる【ネタバレ解説】

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2010年公開されたアメリカのフルCG映画「メガマインド」。

日本未公開の作品ですが、「大人から子供まで楽しめる!」と非常に高い評価の映画です。僕もこれまで3~4回見ましたが、繰り返し見ても楽しめるおすすめの映画です。

 

メガマインドがこれだけ「面白い」と言われるのにはそれなりの「理由」があると思っています。

今回は僕が感じた「メガマインドを面白いと思う理由」を3つ挙げてみたいと思います。

※この記事はネタバレ要素を大いに含んでいます。

目次

メガマインドが面白い理由①絶対悪ではないキャラ設定

メガマインドは、大きな括りで言うと「ヒーローもの」の映画です。

ヒーローものというと、スパイダーマンやスーパーマンみたいに「正義vs絶対悪」という「公式」のようなものが存在します。悪者は根っからのワルであるほど、正義が勝ったときの喜びや爽快感は増すようにできています。

だけどこの作品に登場する「悪役」のメガマインドは、根っからのワルじゃありません。

正義のヒーローと対峙する「絶対悪」になりたくてもなりきれないメガマインド。そんな彼に人間らしさや共感を感じる点が、この作品の面白い所なんだと思います。

(以下ネタバレです)

メガマインドが生まれた星が崩壊(?)の危機に直面し、両親が生後間もない彼だけを宇宙船乗せて脱出させました。そして辿り着いたのが、運悪く地球の「とある刑務所」でした。

そこで彼は囚人たちに「悪とは何ぞや?」を叩きこまれながら育ちます。たまたま「悪のツール」を作る才能があったものですから、何となくワルの方向に才能を発揮しちゃいます。

それでも良い子で模範囚だったメガマインドは、学校に行く機会を与えられます。そこには「生まれながらのスーパーヒーロー(のちにライバルとなるメトロマン)」がいました。

同級生はみんな「正義のヒーロー」に首ったけで、誰もメガマインドのことを気にも留めません。

みんなの注目を集めたいメガマインドは、「ヒーローと真逆の絶対悪」になろうと考えました。完全なる悪になって、正義のヒーローと戦い勝利することで、皆の注目を集められると考えたのです。

 

それから成長して幾度となく正義のヒーローメトロマンと戦いを展開し、自分の「居場所」を見つけたメガマインドはとても充実した日々を過ごしていました。

でもあるとき、不意なことでメトロマンに「勝利」してしまい、永遠のライバルのはずだったメトロマンがいなくなってしまいます。

「正義に対峙する悪」を演じていたメトロマンは心にポッカリと穴が開いたようになってしまい、生気も失っていくようになりました。

メガマインドの目的はメトロマンを倒すことではありませんでした。そもそもメトロマンを倒せるなんて、これっぽっちも想像していなかったのです。

メガマインドが悪役を演じることは、自分の存在価値を見出すための手段に過ぎませんでした。

メトロマンがいなくなって落ち込むシーンや、メトロマンに代わる正義のヒーローとして誕生させた「タイタン」がやりたい放題している姿に「私利私欲のために能力を使うのか?!」と詰めよるシーンに、メガマインドの善人ぶりが垣間見えて、非常に「人間的な悪役」が共感を誘います。

メガマインドが面白い理由②悪の切ないラブストーリー

この映画には「ヒーローもの」にお約束の「ラブストーリー」も兼ね備えています。スーパーマンのクラーク・ケントとロイス・レインといったところでしょうか。正義のヒーローがヒロインを助け恋に落ちるというのは、よくある「公式」です。

でもメガマインドの面白い点は、「悪役とヒロインとの切ないラブストーリー」という設定にあります。

(以下ネタバレ)

「根っからのワル」を演じるメガマインドは、ある一人の女性に恋します。その名は、ロクサーヌ。ニュースキャスターです。

もともとロクサーヌは正義のヒーロー「メトロマン」の恋人(だと思われていました)。メガマインドはそんな彼女を何度も誘拐し、メトロマンを誘い出してきました。

ある日、とあるきっかけでメガマインドは「メトロマン記念館」の職員バーナードに変装するハメになります。そのままいつしかバーナードとしてロクサーヌと仲良くなりデートを重ねていくうち、メガマインドは彼女に惹かれていきます。

あるディナーの席でバーナードに変装したメガマインドはロクサーヌに聞きます。

「見た目が違っても、僕と会ってくれる?」

ロクサーヌはこう答えます。

「人は見た目じゃないわ。何をするかよ。」

メガマインドはずっと悪になろうとしていました。でも、恋するロクサーヌに「人間は行動がすべて」と言われた彼は戸惑います。

で結局変装がバレて、彼女にフラれちゃいます。

メガマインドとロクサーヌの「恋物語」にはまだ続きがあって、これ以上は作品を見て楽しんでほしいと思いますが、とても切なく純粋なラブストーリーです。

メガマインドが面白い理由③強いメッセージ性

メガマインドが面白いを言われる理由は、そこに「強いメッセージ性」があることだと思います。

それは「運命は自分で選ぶもの」というメッセージです。

(以下ネタバレ)

メトロマンという正義のヒーローを失った「悪」のメガマインドは、メトロマンに代わる正義のヒーローを創造しようと考えます。

そうしてできあがったのが「タイタン」という新たなヒーローです。

しかしそいつが「根っからのワル」で、街は破壊するわお金は盗むわのやりたい放題。メガマインドに「せっかくの能力やパワーを私利私欲のために使うなんて、どうにかしてる!」と責められます。これじゃどっちが悪役なのかわかりません。

ここでこの作品のメッセージである「運命は自分で選択することができる」が顔を出します。

 

メガマインドは赤ん坊の頃たまたま刑務所に落下し、学校の同級生に偶然「正義のヒーロー」がいた。だからしょうがなく悪の道を選びました。

そしてメガマインドはこれを「運命だ」と考えていました。

しかし思いもよらずタイタンという「もう一人の悪」が登場し、同じ地に2人の悪が居合わせることになりました。

そして新たに現れたタイタンという悪に、恋心を抱くロクサーヌが拉致されてしまいます。

ここでメガマインドは「ある選択」をします。自分のやるべきことは、悪を倒し愛するロクサーヌを助け出すことだと。

この時彼には「自分は正義のヒーローだ」という自覚はなかったでしょう。単純にメガマインドは「愛する人」を守りたかっただけなのだと思います。

しかし、ロクサーヌが監禁されているビルの屋上に暗雲が立ち込め、ガンズアンドローゼズの「Welcome To The Jungle」の前奏とともに登場するメガマインドは、ヒーローそのもの。

「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と興奮は最高潮を迎えます。悪役が正義のヒーローに変化した瞬間です。

 

この直前、メガマインドと対比される「元正義のヒーロー」であるメトロマンも「運命の選択」をしていました。

彼は生まれながらにして正義のヒーローを演じてきましたが、実はそんな毎日に嫌気がさしていました。

そんなある日「運よく」メガマインドに倒されました。ここぞとばかりにメトロマンとしての日々に終止符を打ち、自分のやりたいことをやろうと決意しました。正義のヒーローとしての「運命」を変えたのです。

メトロマンにしろメガマインドにしろ、この作品を通じて「運命というものは変えられる」という強いメッセージを、僕たちに訴えかけてくれます。

映画冒頭で赤ん坊のメガマインドが宇宙船に乗せられるとき、彼の父親は「お前の運命は、偉大な…」と言いましたが、後半を聞き取ることができませんでした。

しかし今となっては、聞き取れなくてもよかったのかも知れません。

運命というものは決定されているものではなく、自分で選ぶことができるものですから。

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