【ロボコップ3の謎】なぜルイスを殉職させる必要があったのか?を考察

洋画

※この記事はネタバレ要素を含んでいます。

ロボコップシリーズの完結編となる映画「ロボコップ3」。

この作品を見た人の中には「どうしてルイス巡査を殉職させたんだろう?」とモヤモヤしている人も多いハズ。

今回はその謎について深掘りしていきたいと思います。

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ロボコップの相方ルイス巡査とは

本名アン・ルイス。年齢不詳。

言わずと知れた、マーフィーことロボコップの相方です。ロボコップリーズの全て(2014リメイク版を除く)に登場します。

チューインガムを噛み、男勝りの言動で犯人を追い詰める仕草が印象的です。

ロボコップ1のラストで瀕死の重傷を負うものの、復活。

しかし、3では「リハッブ隊」の隊長マグダゲットにより、射殺されてしまいます。

ちなみにルイス役を演じていた女優は、ナンシー・アレン。

映画公開当時はすでに「アラフォー」だったそう。若く見えますね。

ルイスが殉職したロボコップ3のあらすじ

 

ロボコップ3のストーリーを覚えていないという方がいると思うので、一応あらすじを確認しておきましょう。

前作で“ロボコップ2”による大失態を犯してしまったオムニ社は、業績回復に躍起になっており、新たにデトロイトで“デルタ・シティ”という都市再開発計画を進めていた。計画進行の為に邪魔になる住人はオムニ社の“私設特殊部隊リハッブ(都市再建警備隊)”で強引に追い出し、強制収容所送りにしていた。

市民の安全と自分を製作したオムニ社への絶対忠誠プログラムとの間で板挟みになるロボコップ。そんな中、住居から追い出され教会に逃げ延びていた住民達をリハッブが強引に捕らえようとし、たまたま非番で防弾チョッキを未着用であったアン・ルイス巡査は彼らを守る為にリハッブの司令官、ポール・マグダゲット本人の射撃によって生死不明の重傷を負ってしまい、ロボコップもまた大きな損傷を受けるが、廃工場に逃げ延びていた住民達に構成された市民反乱軍によって助け出される。(出典:wikipedia)

上のあらすじによるとルイス巡査は「生死不明の重傷を負ってしまい…」と書かれています。

しかし作中でロボコップが「殉職だ」と言っているので、ルイスは死亡したものと捉えて良さそうです。(撃たれたルイスをロボコップが協会の祭壇に上げるシーンがあり、「死」を連想させることから殉職したと考えて正解だと思います。)

ロボコップ3でルイスを殉職させる必要はあったのか?

しかし、ロボコップシリーズの中でのルイス巡査の役割は大きかったはずです。

それなのにどうして序盤で殉職させる必要があったのでしょう?

その理由を考察する上で、本作品の「テーマ」に注目してみる必要がありそうです。

ロボコップ3の「テーマ」とは

ロボコップ3は、これまでの1や2とは少し方向性が異なります。

ロボコップ1ではクラレンス、2ではケインという明らかな「悪役」の存在がいて、どちらも「ロボコップvs悪役」という図式でした(バックでオムニ社が絡んでいたのは事実ですが)。

しかし3では、「デトロイト市民vsオムニ社(リハッブ隊)」が主な戦いの図式になっています。

ロボコップと警察は、その狭間で「宙ぶらりん」の状態です。

そして「市民、オムニ社のどちら側につくのか?」というのが、ストーリーを通じて語られていきます。

本来ロボコップと警察は「オムニ社の所有物」であるはずなので、オムニ社側につくのが筋です。

しかし、「正義とは?誇りとは?」と揺らぎ葛藤しながら、最終的に市民側に付いて団結してオムニ社を討ち倒すというのがこの作品の流れですね。

ルイスの殉職は市民側へ付く「トリガー」

僕は、ルイス巡査の死亡はロボコップが市民側へ付く「引き金(トリガー)」になったと判断しています。

ロボコップには、あらかじめ4つの「指令」がプログラムとして組み込まれています。

  1. 公共への奉仕
  2. 弱者の保護
  3. 法の遵守
  4. オムニ社へは逆らわない

1と2だけを考えると、市民を手助けするのが妥当です。

しかし、3と4の指令によって、オムニ社に背くわけにはいきません。

そしてあたかもリハッブ隊や警察が行なっている行為は、テロリストと化した市民軍を制圧する「法律にのっとった正当な行為」にも見えます。

「指令1と2」を取るか、それとも「3と4を取るか」の間で揺れ動くロボコップの姿は、教会前でルイス巡査が撃たれる直前に描かれています。

しかしルイスが死亡することで、ロボコップは「決断」をします。

自分は警察官である。だから、市民を守ろう。そしてリハッブ隊や警察の行なっている排除行為こそ、法に背く行為だと。

ロボコップは市民側についていくことを決断し、辛くも教会から脱出。味方になった女性博士の手によって「指令4:オムニ社に逆らわない」が消去されます。

警察も市民の味方へと変化する

当初武装市民を排除する側の立場だった警察も、ルイス巡査の死やロボコップの行動により、変化が現れます。

オムニ社側から「警察はリハッブ隊に参加するように」という命令を突き付けられたリード署長は、「俺は家族の誇りなんだ」と言い、オムニ社幹部の目の前に警察バッジを投げつけます。

それを見た他の警察官も次から次へとバッジを投げ捨て、リード署長についていきました。

警察がオムニ社やリハッブ隊を見限り、市民を守ろうと決断したのです。

「警察の本来の職務とは何か?警察の誇りとは何か?」に気が付いた瞬間でした。

この後市民、警察、ロボコップは協力し、リハッブ隊を制圧。ついにオムニ社を討ち倒します。

この点でも、「ルイスの殉職」は大きな役割を果たしたと言えます。

ロボコップはルイスの死をどう捉えたか

ルイスは死ぬ間際「やっつけて、お願い」とロボコップに言い、彼は「約束する」と答え、ルイスは死んでしまいました。

そのときロボコップは「殉職だ」と冷静に言い、頭を垂れるにとどまりました。

大切な相棒を失ったのに「なぜそんなに淡々としているんだ」という声もあります。「そんなときぐらいマーフィ(人間)の感情を大いに出すべきじゃないか」と。

これは後のニコ(子供)との会話で明らかになります。

ニコは冒頭で両親とはぐれ、武装市民と合流します。

両親に会いたがっているニコに対し、ロボコップは「心の中に(両親が)いれば、寂しくないよ」と優しく語り掛けます。実は直前にデータベースを照会した際、ニコの両親がすでに死んでいることをロボコップは知っていたのです。

これはロボコップ自身にも同じことが言えます。

最愛の妻を失い、相棒のルイスすらも亡くしてしまったロボコップ。

しかし、心の中に彼女らの記憶を残しておけば寂しくなんてない。

彼はこのように自分に言い聞かせ、冷静にやり過ごしたのではないでしょうか。

だけど心の奥底では、悲しみに打ちひしがれているんだと思います。

 

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